津波は“想定外”ではない
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― 東日本大震災を経験して今伝えたい“備え”のこと ―
2025年7月30日、カムチャッカ半島付近で発生した大きな地震により北海道を含む太平洋沿岸地域に津波注意報が出されました。
報道によると数十センチから1メートル前後の津波が到達した地域もあり港や海岸付近では注意が呼びかけられています。
一見、「それくらいなら大丈夫」と思われがちな高さかもしれません。
しかし、私たちは忘れてはなりません。
ほんの数十センチの津波でも、人の命を奪い、車を流し、街を破壊する力を持っているということを。
私自身、2011年3月11日に発生した東日本大震災で被災しました。
あの日、日常が音を立てて崩れていくのを目の当たりにし「自然の力の前では人間は本当に無力なのだ」と感じました。
だからこそ今皆さんに伝えたいのです。
「津波は、決して“他人事”ではない」ということを。
■ “想定外”だった3.11
2011年のあの日、私は不動産業に携わる一人として日々の業務をこなしていました。
まさか自分の住む地域であんな規模の災害が起きるとは夢にも思っていなかった。
しかし実際に起きたのです。
電気が止まり、水が出なくなり、電話もつながらず。
建物は無事でも、日常生活は一気に“崩壊”したと感じました。
最も衝撃だったのは、当時携帯のワンセグがら映し出される津波の映像。
私は仙台市の中心部にいたため津波の直接的な被害はありませんでしたが、黒い壁のような海水が仙台空港にある飛行機や車を飲み込んでいく。
あれほどの破壊力をもつとは想像すらしていなかった。
あの時点で震源地周辺にいた方を含め、多くの人が津波による被害が出るなんて考えてもいなかったと思います。
■ 津波は“走っても逃げ切れない”
津波は地震の揺れが収まった後、少し時間をおいてやってくるため「もう大丈夫」と思ってしまいがちです。
しかしそれは大きな間違いです。
津波は時速40km以上のスピードで陸に押し寄せます。
走って逃げても追いつかれるスピードです。
だからこそ、「迷ったら逃げる」「とにかく高い場所へ」という“初動の判断”が命を分けます。
避難指示が出たら迷わず行動する。たとえ周囲がまだ動いていなくても自分だけはすぐに逃げる。
そんな心構えを普段から持っておくことが何より大切です。
■ 備えは「事前」にしかできない
私たちにできる津波対策の第一歩は、“事前の備え”です。
次のような点はぜひ定期的に見直しておきましょう。
✅ ハザードマップの確認
自治体が発行する津波ハザードマップには、津波浸水の可能性がある地域や避難経路が記されています。
紙のものでもスマホアプリでも確認できますので、必ず一度は目を通し、どのルートで避難するか家族と話し合っておきましょう。
✅ 非常持ち出し袋の点検
水、非常食、懐中電灯、モバイルバッテリー、医薬品など。
最低限の非常用品は、年に一度でもよいので中身を点検し、使用期限や不備を確認しておきたいところです。
✅ 家族・近隣との共有
高齢のご両親、小さなお子さんがいるご家庭では、避難方法や連絡手段の確認が特に重要です。
また、単身高齢者や障がいを持った方が近隣にいる場合は、地域全体で声を掛け合える関係性も命を守るための備えになります。
■ 不動産管理業者として考えるべき津波対策
私たちのような不動産管理業者は管理物件の安全確保にも責任を持たなければなりません。
とくに以下の点に注目する必要があります。
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管理物件の所在地が津波警戒区域に該当するかどうかを把握しておく
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屋外設備(ガス・給湯器・看板など)が津波で倒壊・流出しないよう設計・施工
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入居者へ緊急時の避難ルートや避難場所を周知
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空き家が津波被害に遭うことで二次被害(瓦礫流出など)を引き起こさないよう点検・固定
また、被災によって入居者が避難生活を強いられる場合賃貸契約や保証対応についての知識や準備も必要です。
■ 終活の観点でも“災害への備え”は大切
最近では「防災終活」という言葉も耳にするようになりました。
これは、自分が元気なうちに“災害時に家族が困らないよう準備する”という考え方です。
例えば、、、
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保険証券や通帳の保管場所を明確にする
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緊急時連絡先のリストを作っておく
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家の鍵や避難所情報を家族と共有する
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災害時に預金を引き出せるよう、代理人を設定しておく
こういった備えも、いざというとき大きな助けになります。
終活というと葬儀や遺言ばかりを思い浮かべがちですが、「命を守るための準備」も終活のひとつなのです。
■ 命を守るために、できることは今からでも
東日本大震災から14年。
私自身、あの日の記憶は今でも鮮明に残っています。
そし今回のカムチャッカ地震による津波注意報を受け改めて思うのです。
「備えは後悔する前にしておかなければ意味がない」と。
自然災害はいつ、どこで、どの規模で起きるか誰にもわかりません。
しかし備えることは今日からでもできる。
どうか、この記事を読んだ皆さんが少しでも防災意識を高め家族や地域と“命を守る行動”を考えるきっかけになれば幸いです。
私たち株式会社ヒルズでも、災害対応マニュアルの整備や管理物件の安全対策を随時見直しながら地域の皆様に“安心して住まう”環境を提供し続けてまいります。
